災害支援ナースの役割とは

看護師は、多くの患者のメンタルヘルスケアや健康を管理・観察し、医師の補佐や場合によっては適切な処置を行う職業です。そのため、看護師の活躍できる現場は病院からクリニック、学校、企業などさまざまな場所があります。今回は、災害が発生した際に、被災地の避難所や医療機関にて被災者の手当てや健康管理を担当する、災害支援ナースについて説明しましょう。

看護師は通常時でも高度な専門職で、患者の健康や命に関わる看護業務を担当しますが、被災地では精神的に疲弊した被災者のメンタルヘルスケアも担当するのが特徴です。電車が止まったり道路が陥没したりなど、被災地が孤立してしまうこともあるので被災者は体調を崩しやすく、整った設備がある状態で行う看護とは違って状況に応じた判断が特に必要となります。また、災害支援ナースの役割はこれだけではなく、被災した看護師のサポートやメンタルヘルスケア、健康維持に最善を尽くし、全ての患者に適切で迅速な看護と医療を提供することも責務なのです。

災害発生時には、日本看護協会または都道府県看護協会が災害のレベルに合った方法で、災害支援ナースの派遣を行う流れになります。この仕事に就くためには、実務経験が5年以上あることや専門の養成講座を受講する必要があるなど、ある程度厳しい条件が課せられているのが現状です。日本看護協会が各看護師に支援を行うのは災害レベルが2か3の場合で、日本看護協会が支援調整を担当する場合に限り、交通費や日当、宿泊費などを支援することになっています。